IOS 7

iOS 7

iOS 7は、Appleが開発したモバイルオペレーティングシステムiOSの7番目のメジャーリリースです。2013年9月18日にリリースされました。

概要

2013年6月11日、WWDC2013で発表され、同年9月18日にリリースされました。対応端末はiPhone 4以降、iPad 2以降、iPad Air (第1世代)、iPad mini (第1世代)以降、iPod touch (第5世代)です。iPhone 3GSとiPod touch (第4世代)はサポート対象外となりました。

iOS 7は、デザインが大幅に変更され、フラットなアイコンや新しいアニメーションが導入されました。この新しいデザインは賛否両論あり、操作を遅くするアニメーションやアイコンの一貫性の欠如などが批判されました。一方で、コントロールセンターの追加、Siriやマルチタスク機能のアップデートなどは評価されました。また、リリース直後には新しいデザインが原因で酔うという報告もありました。普及は早く、1日後には35％、5日以内に2億台の端末にインストールされました。

新機能・変更点

ジョナサン・アイブが率いるチームによって、ユーザーインターフェースが刷新されました。よりフラットなアイコン、新しいスライド式ロック解除機能、アニメーションなどが採用され、通知センター、Siri、コントロールセンターなどOS全体で新しいデザインが適用されました。また、AirDrop、CarPlay、App Storeでのアプリケーションの自動アップデートなどの新機能も導入されました。

システム

デザイン

ユーザーインターフェースのデザインが全面的に刷新され、よりフラットなアイコン、細いフォント、新しいスライド式ロック解除、コントロールセンターが採用されました。ジョナサン・アイブは、このデザインについて「シンプルさ、明確さ、効率の良さの中に美しさが存在する」と述べています。起動画面の背景色は、端末のフロントベゼルの色と一致し、反対色のAppleロゴが表示されるようになりました。

AirDrop

ワイヤレス共有技術「AirDrop」が導入され、近くのiOS端末にファイルを送れるようになりました。コントロールセンターから有効にでき、送信元からの認識範囲を「連絡先のみ」または「すべての人」に切り替えられます。当初は、iPhone 5以降、iPad (第4世代)以降、すべてのiPad mini、iPod touch (第5世代)でのみ利用可能でした。

コントロールセンター

画面下部から上にスワイプすることで、機内モード、Wi-Fi、Bluetooth、おやすみモードなどの設定にアクセスできる「コントロールセンター」が導入されました。画面の明るさ調整や音楽再生コントロール、フラッシュライトの切り替えなども可能です。

通知センター

通知センターが見直され、「今日」「すべて」「未確認」の3つのタブに分けられました。ロック画面からの表示も可能になり、通知は端末間で同期されるようになりました。

マルチタスキング

App切り替え画面が刷新され、ホームボタンをダブルクリックすると、最近使用したAppのサムネイルが全画面表示されるようになりました。

CarPlay

iOS 7.1の一部としてCarPlayがリリースされ、対応する車載システムと統合して、音楽のコントロールやマップナビゲーションなどの操作を車のディスプレイで行えるようになりました。Siriを使ったハンズフリーメッセージ送信も可能です。

Siri

Siriのデザインが変更され、背景がぼやけた状態でアシスタントがフェードインするようになりました。視覚的な声の波が表示され、端末がAppleのサーバーと通信する様子が表現されます。Siriは、Bluetoothなどの設定操作、Bing検索、Wikipedia参照、Twitterとの連携機能が追加されました。また、Siriの声の性別が変更可能になりました。

その他

Spotlight検索がホーム画面から下へスワイプすることで表示されるようになり、パララックス効果を含む新しい壁紙が搭載されました。また、特定の通知にバイブレーションを設定したり、視差効果をオフにしたり、電話やメッセージなどの着信をブロックすることが可能になりました。ホーム画面では、新しくインストールしたAppや最近更新されたAppに青いドットが表示され、フォルダは複数のページを持つように機能拡張されました。着信音と通知音が追加され、iOS 6以前のものは[クラシック]カテゴリに移動しました。

アプリケーション

App Store

App Storeからインストールしたアプリケーションの自動アップデートが可能になりました。各Appのアップデート履歴を確認できるようにもなり、位置情報サービスを有効にすると、App Storeに「この付近」タブが追加され、地理的な位置情報に基づいて人気のあるAppが推奨されるようになりました。

写真とカメラ

カメラAppに「スクエア」モードやライブフィルターが追加され、動画撮影時にピンチインズームが可能になりました。連写モードやiPhone 5sではスローモーションビデオの選択肢が追加され、写真Appではスローモーション部分の開始位置と終了位置を変更することもできます。写真Appは、「写真」「共有」「アルバム」の3つのタブに分けられ、写真の表示方法や共有機能が改善されました。

ミュージック

ミュージックAppに、Appleの「iTunes Radio」サービスが追加されました。アーティストを選ぶと、似たようなアーティストの曲をベースにした「ステーション」が生成されるラジオサービスで、曲のスキップや購入も可能でした。2016年1月にサービスは終了し、Apple Musicに移行しました。

Safari

Safariでは、検索バーが1つの「スマート検索」フィールドに統合され、タブ管理が改善されました。プライベートタブをSafariから直接有効化できる機能や、「追跡しない」機能が追加されました。

マップ

Apple マップに徒歩での案内機能が追加され、マップのデザインがフルスクリーン表示に変更され、ナイトモードが追加されました。Siriの音量調整機能も追加されました。

天気

天気Appのデザインが変更され、現在の天気を視覚的に表現するようになりました。

FaceTime

iPhoneに独自のFaceTime Appが搭載され、Wi-Fi環境下での音声通話が可能な「FaceTime Audio」が追加されました。

メッセージ

メッセージAppで、送受信したすべてのメッセージのタイムスタンプを確認できるようになりました。

バージョン

iOS 7は2013年6月10日に発表され、開発者向けにベータ版が公開されました。正式版は2013年9月18日にリリースされました。

対応端末

iOS 7は、iPhone 3GSやiPod touch (第4世代)のサポートを終了しました。

評価

iOS 7の評判は賛否両論ありました。新しいデザインは、生産性よりもデザイン変更を優先していると批判されましたが、コントロールセンターやSiriなどの新機能は評価されました。批評家の中には、他のモバイルプラットフォームとの競争がiOS 7のデザインに影響を与えたと指摘する人もいました。導入率は非常に高く、リリース後1日で35％、5日以内に2億台以上の端末にインストールされました。

問題

デザインによる酔い

iOS 7の新しいアニメーションや視差効果が、一部のユーザーに気分を悪くさせるという問題が報告されました。これは、視覚情報と内耳の平衡感覚の不一致による車酔いに似た効果だとされています。

バッテリーの消耗

iOS 7.1のアップデート後、バッテリーの消耗が激しいという報告がありました。

ロック画面の回避

ロック画面を回避できる脆弱性が発見され、後に修正されました。

脚注

出典

関連項目

iOS
iOSのバージョン履歴

外部リンク

* Apple - iOS 7

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